HPVワクチンについて ― 男の子も接種を
HPVワクチンについて ― 男の子も接種を
HPV(ヒトパピローマウイルス)は、女性の子宮頸がんの原因として知られていますが、男性にとってもがんや性感染症の原因になるウイルス です。HPVは性的な接触を通じて感染し、男女問わず多くの人が一生に一度は感染するとされています。
男性がHPVに感染すると、中咽頭がん(のどのがん)・肛門がん・尖圭コンジローマなどの性感染症 の原因になることがあります。また、自分自身を守るだけでなく、将来のパートナーへの感染を防ぐ という意味でも、男の子がワクチンを接種する意義は大きいと考えられています。子宮頸がんをはじめとするHPV関連の病気は、社会全体で接種を進めることで減らせる病気です。
HPVワクチンというと「女の子が受けるもの」というイメージが強いかもしれません。実際、男性へのHPVワクチンは予防接種法に基づかない 任意接種 で、多くの地域では自己負担(1回あたり数万円・複数回必要)がかかります。
しかし 足立区では対象となる男の子のHPVワクチン任意接種費用を全額助成しており、区内の指定医療機関で無料で接種できます。
子宮頸がんワクチンは通常であれば3万円以上しますので、大人になってから3回任意接種をすると合計で9万円以上かかります。無料で接種できるうちにしておくことをおすすめします。
世界ではすでにHPVワクチンの男性接種は一般的になっており、アメリカのデータではすでに6割以上の男性が接種しています。
足立区内に住民登録のある 小学校6年生〜高校1年生相当の方
上限3回・無料(途中の回からでも助成の対象になります)
2026年(令和8年)4月1日の接種分からは、シルガード9(9価)が助成の対象 となりました。
接種を受けるには、事前に足立区保健予防課で予防接種予診票の交付申請が必要です(窓口・オンライン・郵送で申請できます。母子健康手帳をご用意ください)。申請後、区内の指定医療機関を予約して接種します。接種後に申請しても助成は受けられない ため、必ず接種前に予診票をお受け取りください。
HPVワクチンは、接種を始める年齢によって必要な回数が変わります。標準的なスケジュールは合計3回で、足立区の案内では「1回目から2か月あけて2回目、1回目から6か月あけて3回目」とされています。
一方で、シルガード9(9価ワクチン)を15歳の誕生日の前日までに1回目接種した場合は、6か月以上あけて2回目を接種することで完了とすることができます(合計2回)。 つまり、早めに始めるほど通院回数が少なく済む場合があります(※2回で完了できる条件はワクチンの種類や開始年齢によって異なります。詳しくは接種前に医師にご確認ください)。
「小6〜高1のうち、できるだけ早い時期に始めると、より少ない回数で終えられる可能性がある」と覚えていただくとよいでしょう。
HPVワクチンは複数回の接種が必要で、それぞれに数か月の間隔をあけます。そのため、学校が休みでスケジュールを組みやすい夏休みは、1回目を始めるのに適した時期 です。毎年、夏休みの期間は接種を希望される方が増えます。混み合う前に、早めのご予約をおすすめします。
ワクチン接種後は、注射した部分の痛み・腫れ・赤み、発熱や頭痛などがみられることがありますが、多くは数日で治まります。
接種にあたっては、効果と副反応の両方をご説明したうえで、ご本人・保護者の方に納得して判断していただくことを大切にしています。
なお、接種当日に16歳未満の方は、原則として保護者の同伴が必要です。
ご不明な点や接種のご相談は、どうぞお気軽に当院または足立区保健予防課(電話 03-3880-5094)へお問い合わせください。
※本ページの制度内容は2026年6月時点の情報です。対象年齢・対象ワクチン・申請方法は変更される場合があるため、最新情報は足立区公式サイトでご確認ください。
当院では、HPVワクチン以外にもインフルエンザ・肺炎球菌・帯状疱疹など各種ワクチンに対応しています。詳しくは「当院の予防接種」をご覧ください。
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森田 知宏(もりた・ともひろ)/ 西新井内科クリニック 院長 医師・医学博士 東京大学医学部卒業。一般内科・訪問診療を担当。最新のエビデンス(科学的根拠)にもとづく診療を心がけています。 ▶ 院長の経歴・研究業績を見る |
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診療判断に代わるものではありません。気になる症状や検査結果がある場合は受診をご検討ください。
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