日中の眠気・居眠りがひどいのは病気?考えられる原因とセルフチェック(ESS)
日中の眠気・居眠りがひどいのは病気?考えられる原因とセルフチェック(ESS)
「会議中にどうしても目を開けていられない」「信号待ちでうとうとしてヒヤッとした」「休日にたっぷり寝ても眠気がとれない」――日中の眠気のご相談は、働き盛りの世代から高齢の方まで幅広くいただきます。
日中の眠気とは、夜の睡眠で本来とれるはずの疲れがとれておらず、起きているべき時間に脳が「睡眠不足」の信号を出している状態です。単なる寝不足のこともありますが、睡眠の「量」ではなく「質」を壊す病気が隠れていることがあります。
この記事では、(1)世界的に使われている眠気のセルフチェック(ESS)、(2)眠気の背景に隠れやすい病気、(3)受診の目安と検査の流れを、順にご説明します。
日中の眠気の強さを測る質問票として、世界的にエプワース眠気尺度(ESS:Epworth Sleepiness Scale)が使われています。日常の8つの場面それぞれについて「うとうとする可能性」を0〜3点で自己評価し、合計点(24点満点)で眠気の強さを見るものです。下の表で選んでいくと、合計点がその場で表示されます。
(参考:Johns MW. Sleep 1991;14:540-545)
合計11点以上は「日中の眠気が強い」状態のめやすとされ、医療機関への相談をおすすめします。10点以下でも、運転中の眠気など生活に支障がある場合はご相談ください。
より詳しい検査・治療のご案内は睡眠外来のページをご覧ください。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)――最も見逃したくない原因です。睡眠中にのどがふさがって呼吸が止まり、眠りが浅くなります。大きないびき・呼吸停止の指摘・起床時の頭痛があれば可能性が高まります。肥満のある方に多いですが、あごの小さい方はやせていても起こります。詳しくはいびきの記事もご覧ください。
不眠症・睡眠不足症候群――寝つけない、途中で目が覚めるといった不眠のほか、「平日は5時間睡眠で週末に寝だめ」という慢性的な睡眠不足も、日中の強い眠気の代表的な原因です。
その他――甲状腺機能低下症などの内科の病気、薬の副作用(アレルギーの薬・精神安定剤など)、うつ状態に伴う過眠、ナルコレプシーなどの過眠症。問診と血液検査で手がかりをつかめるものが多くあります。
※「歳のせい」「気合いの問題」と片づけられがちですが、眠気は体からの信号です。とくに車を運転する方は、事故につながる前の対応が重要です。
次のいずれかに当てはまる方は、一度ご相談ください。
当院では、(1)問診で睡眠の状況とESSを確認し、(2)必要に応じてご自宅でできる簡易検査(睡眠中の呼吸と酸素を記録)や血液検査を行い、(3)原因に応じた治療をご提案します。検査はいずれも保険適用です。
もちろんです。「眠いだけで病院に行くのは大げさでは」とためらう方が多いのですが、日中の眠気は睡眠時無呼吸症候群をはじめ、治療で改善できる病気の入り口としてよくある症状です。問診とセルフチェックだけでも受診の価値があります。
一時しのぎにはなりますが、原因が病気の場合は解決になりません。カフェインの量が増え続けている、夕方以降も必要になっている、という方は、背景を調べるサインと考えてください。
睡眠時間が足りていても、無呼吸などで眠りが細切れになっていると脳は休めていません。「時間は足りているのに眠い」は、むしろ睡眠の質を壊す病気を疑うきっかけになります。
しっかり寝ても眠い方は、まず眠りの質を調べる。改善はそこから始まります。
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森田 知宏(もりた・ともひろ)/ 西新井内科クリニック 院長 医師・医学博士 東京大学医学部卒業。一般内科・訪問診療を担当。最新のエビデンス(科学的根拠)にもとづく診療を心がけています。 ▶ 院長の経歴・研究業績を見る |
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診療判断に代わるものではありません。ESSはあくまでめやすであり、点数だけで診断が確定するものではありません。
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