生活習慣病・健診異常
生活習慣病・健診異常
「健診で血圧が高いと言われた」「血糖値やコレステロールを指摘されたが、症状はない」「以前から薬を飲んでいるが、このまま続けていいのか不安」——生活習慣病は、こうした“自覚症状のなさ”とともに、ゆっくり進んでいきます。当院では、健診で指摘を受けた方への対応から、高血圧・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症の継続的な管理までを、一つの窓口でお引き受けします。
ひとつでも当てはまる方は、一度ご相談ください。健診結果の用紙をお持ちいただければ、その場で必要性を判断できます。
高血圧・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症などは、まとめて「生活習慣病」と呼ばれます。これらに共通するのは、自覚症状がないまま、少しずつ血管を傷めていくという点です。そして気づかないうちに、ある日突然、脳梗塞・脳出血・心筋梗塞といった命にかかわる病気として現れることがあります。
つまり、生活習慣病の治療は数値を下げること自体が目的ではなく、その先にある「血管の病気」を防ぐための予防医療です。血圧・血糖・コレステロール・尿酸——これらの数値を適切に保つことが、将来の自分を守ることにつながります。
当院では、それぞれの病気について個別のページで詳しくご紹介しています。
脳卒中・心筋梗塞・腎臓病の最大級の危険因子です。2025年のガイドライン改訂で、多くの方の降圧目標が「130/80 mmHg未満」に整理されました。自覚症状がほとんどないため、家庭での血圧測定が早期発見のカギになります。
▶ 詳しくは「高血圧」のページをご覧ください。
血糖値が高い状態が続くと、目・腎臓・神経などの細い血管から障害が進みます。近年はGLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬など、低血糖のリスクが少なく体重管理にも有利な薬が選べるようになってきました。
▶ 詳しくは「糖尿病」のページをご覧ください。
LDLコレステロール(悪玉)や中性脂肪の異常は、動脈硬化の大きな土台になります。「症状がないのに薬を飲むの?」と疑問に思う方も多いですが、その方の心筋梗塞・脳梗塞のリスクの高さに応じて治療目標が決まります。
▶ 詳しくは「脂質異常症」のページをご覧ください。
尿酸値が高い状態が続くと、痛風発作だけでなく、腎障害や尿路結石の原因にもなります。痛みがないときも治療を続け、尿酸値を「6.0 mg/dL未満」に保つことが大切です。
▶ 詳しくは「高尿酸血症・痛風」のページをご覧ください。
健康診断で「要再検査」「要精密検査」と書かれていても、自覚症状がないために放置してしまう方は少なくありません。しかし、生活習慣病はまさに「自覚症状がないうちに進行する病気」です。指摘を受けた段階で受診することが、もっとも効果的な予防のタイミングです。
当院では、健診結果をお持ちいただければ、再検査から治療の必要性の判断、治療開始まで一貫して対応いたします。
▶ 健診結果への対応について、詳しくは「健康診断で『要再検査』と言われたら」をご覧ください。
私は、足立区の特定健診データを公開統計から分析しました(2026年)。そこで見えてきたのは、少し意外な事実です。
血圧・血糖・LDLコレステロールといった主要な検査値で「異常あり」となる方の割合は、足立区を含む地域でおおむね全国平均と同じ水準でした。健診の受診率(足立区国民健康保険で41.3%)も、市区町村の国民健康保険としては全国並みです。つまり「足立区は健診の異常がとりわけ多い」わけでも、「受診率がとりわけ低い」わけでもありませんでした。
はっきりと弱かったのは、むしろ「見つけた後」です。たとえば、HbA1c 8.0%以上という明らかな高血糖と判定された方のうち、約3割が血糖の薬を飲んでいませんでした(以前は治療していて中断した方も含まれます)。足立区では新たに透析を始める方が毎年200人を超え、その原因の40.7%は糖尿病によるものです。腎不全で亡くなる方の割合は、東京23区でもっとも高い水準にあります。
言いかえれば、足立区の課題は「異常が見つかること」よりも、「見つかった異常を治療し続けること」にあります。だからこそ、健診で指摘を受けた段階で受診し、そのまま治療を続けることに大きな意味があります。当院は、その“受け皿”でありたいと考えています。
▶ 調査の詳細は、院長個人サイトの「足立区の特定健診データの分析」(公開データの二次分析)でご覧いただけます。
どの生活習慣病でも、治療の基本は食事・運動・禁煙・適正体重といった生活習慣の見直しです。これらは複数の病気に同時に効く「共通の土台」です。とはいえ、極端な制限を一時的に頑張るより、無理なく続けられる形を見つけることが何より大切です。
減塩は高血圧だけでなく心血管疾患全般のリスクを下げます。野菜・果物・魚を中心にした食事パターン(いわゆるDASH食や地中海食)は、血圧・血糖・脂質のいずれにも好ましい影響があるとされています。「何かを完全にやめる」よりも、バランスを少しずつ整えていく考え方が長続きします。
週150分の中強度有酸素運動(早歩きなど)と週2回の筋力トレーニングが推奨されています。有酸素運動と筋トレを組み合わせると、どちらか単独よりも大きな効果が得られることがわかっています。まったく運動していない方が少し動き始めることで、もっとも大きな健康上のメリットが得られます。
▶ 運動の具体的な方法やエビデンス(科学的根拠)については「生活習慣病を予防する運動習慣」で詳しく解説しています。
同じ「血圧が高め」でも、40代で他に問題のない方と、糖尿病や喫煙歴のある70代の方とでは、将来のリスクも、目指すべき目標も異なります。当院では、検査値だけを見て一律に薬を決めるのではなく、その方の背景をふまえて「個別化」した診療を実践しています。
診療にあたっては、次のような体制を整えています。
生活習慣病の管理は、健康を守る取り組みの入り口にすぎません。当院では、必要な方に、健康診断・がん検診のご案内、年代に応じたワクチン接種、骨密度(骨粗しょう症)の検査といった「ヘルスメンテナンス」もあわせてご提案します。病気を治すことと、病気を未然に防ぐことの両方から、将来の健康をトータルにお支えします。
「数値を下げる」ことをゴールにせず、心臓・脳・腎臓など各臓器の将来まで見据えて、総合的に健康を守ることを大切にしています。健診で指摘を受けた方も、治療中の方も、どうぞお気軽にご相談ください。
※体重管理が必要な方には、メディカルダイエット(自費診療)もご案内できます。
数タップで、あなたのおおよその区分と「目標値の目安」(血圧・LDLコレステロール)、腎機能(eGFR)の概算が表示されます。検査値は分かる範囲でかまいません。
薬で数値が正常に保たれている場合、それは「薬が効いているから正常」であることがほとんどです。自己判断でやめると数値が元に戻り、血管へのダメージが再び進行するリスクがあります。減薬や休薬の可能性は、生活習慣の改善度合いや数値の推移をみながら、医師と相談して判断します。
家族に高血圧や糖尿病がある方は、体質的にリスクが高い傾向があります。ただし、発症するかどうかは食事・運動・体重などの生活習慣にも大きく左右されます。遺伝的なリスクがあるからこそ、早めの検査と予防が効果的です。
はい。生活習慣病のほとんどは、自覚症状が出ないまま進行します。症状が出たときには、すでに脳卒中や心筋梗塞を起こしていることも少なくありません。「症状がない=健康」ではなく、「症状がないうちに手を打てる」ことが最大のメリットです。
※本ページは一般的な情報提供を目的としたものです。実際の診断・治療方針は、診察のうえで個別に判断します。
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森田 知宏(もりた・ともひろ)/ 西新井内科クリニック 院長 医師・医学博士 東京大学医学部卒業。一般内科・訪問診療を担当。最新のエビデンス(科学的根拠)にもとづく診療を心がけています。 ▶ 院長の経歴・研究業績を見る |
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診療判断に代わるものではありません。気になる症状や検査結果がある場合は受診をご検討ください。
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