糖尿病外来
糖尿病外来
「健診でHbA1cが高いと言われた」
「血糖値を指摘されたけれど、症状は何もない」
「糖尿病の薬を始めた方がよいのかわからない」
「以前は通院していたが、忙しくて中断してしまった」
そのような段階からご相談いただけます。
糖尿病の治療は、単に血糖値やHbA1cを下げればよいというものではありません。現在は、年齢や体格、低血糖のリスクだけでなく、体重・血圧・コレステロール・腎臓・心臓の状態まで含めて、一人ひとりに合った治療を選ぶことが重視されています。[1][2]
当院では、健診で異常を指摘された方の再検査から、糖尿病の診断、生活習慣の相談、薬物治療、合併症の定期チェックまで、内科のかかりつけ医として継続して診療します。
健診結果の用紙をそのままお持ちください。
HbA1c 5.6〜6.4%だけで糖尿病と診断されるわけではありません。一方、この範囲では将来糖尿病を発症するリスクが高くなるため、血糖値や他のリスク因子とあわせて評価することが大切です。
糖尿病治療の目的は、検査の数字を下げること自体ではなく、将来の合併症を防ぎ、健康な生活を長く保つことです。
糖尿病が長く続くと、
などのリスクが高くなります。
そのため当院では、HbA1cだけではなく、血圧、脂質、腎機能、尿アルブミン、体重などをまとめて確認します。
現在の2型糖尿病治療では、薬を一律の順番で選ぶのではなく、患者さんの病態や併存疾患を考えて選択することが重要です。
日本糖尿病学会の薬物療法アルゴリズムでも、
を考慮して薬剤を選ぶ考え方が示されています。[1]
たとえば、
では、同じHbA1cであっても治療の選択肢は異なります。
当院では、メトホルミン、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬、インスリンなど、それぞれの特徴と適応を踏まえて治療方針を検討します。
特に慢性腎臓病を伴う2型糖尿病では、SGLT2阻害薬や一部のGLP-1受容体作動薬について、血糖低下作用だけでなく腎臓・心血管イベントへの効果を示すエビデンスが蓄積しています。[2][3]
※使用できる薬や適切な治療は、腎機能、年齢、他の病気、服用中の薬などによって異なります。
2型糖尿病で過体重・肥満を伴う場合、現在は体重管理そのものが血糖管理と並ぶ重要な治療目標と考えられています。[4]
体重が減ることで、
などが改善し、糖尿病薬を減らせる場合もあります。
発症から比較的早い2型糖尿病では、大きな減量を維持することによって、糖尿病薬を使用せずHbA1cが糖尿病域を下回る「寛解」に至る方がいることも報告されています。[5]
ただし、寛解は「完治」と同じではありません。 体重の再増加などによって再び血糖が上昇することがあるため、その後も定期的な確認が必要です。
無理な食事制限ではなく、続けられる食事・運動・体重管理を一緒に考えます。
糖尿病による腎障害では、血液検査のクレアチニンやeGFRが大きく変化する前から、尿に少量のアルブミンが漏れ始めることがあります。
そのため糖尿病では、血液検査だけでなく尿アルブミン(尿アルブミン/クレアチニン比:UACR)を確認することが重要です。
国際的な診療ガイドラインでも、2型糖尿病ではeGFRと尿アルブミンを定期的に評価することが推奨されています。[2]
当院では必要に応じて尿アルブミンを測定し、腎臓の変化を早い段階から確認します。
健診結果の推移、体重変化、食事、運動、睡眠、飲酒、喫煙、ご家族の病歴、現在服用している薬などを確認します。
健診結果や過去の検査結果、お薬手帳があればお持ちください。
状態に応じて以下を確認します。
| 検査・評価 | 主に確認すること |
|---|---|
| HbA1c・血糖 | 現在の血糖状態 |
| 腎機能(クレアチニン・eGFR) | 腎機能 |
| 尿アルブミン | 糖尿病による腎障害の早期変化 |
| LDLコレステロール・中性脂肪 | 動脈硬化リスク |
| 肝機能 | 脂肪肝など |
| 血圧 | 心臓・脳・腎臓のリスク |
| 体重・BMI | 体重管理の目標 |
| 足の症状・診察 | 神経障害、足病変 |
| 眼科受診 | 糖尿病網膜症 |
必要に応じて心電図なども行います。
検査結果をもとに、
を相談します。
糖尿病の目標値は全員同じではありません。年齢、糖尿病の経過、低血糖リスク、他の病気などを考えて個別に設定します。
糖尿病では、症状がなくても合併症が進行することがあります。
2型糖尿病では診断時から眼底検査を行うことが推奨され、神経障害・足についても定期的な評価が必要です。[6]
当院では糖尿病の診療の中で、
などを確認し、眼科など他科での評価が必要な場合は受診をご案内します。
糖尿病の合併症を防ぐには、血糖だけでなく血圧やLDLコレステロールなどの管理も重要です。
高血圧や脂質異常症を合併している方は、別々の病気としてではなく、全体の心血管リスクを考えながらまとめて診療します。
以下のいずれかを満たす場合を「糖尿病型」と判定します。
ただし、1回のHbA1cだけで糖尿病と診断するわけではありません。
血糖値とHbA1cの両方が同じ日に糖尿病型であれば、その時点で糖尿病と診断できます。そうでない場合は、原則として別の日に再検査を行い、血糖値を含めて診断します。[7]
「しばらく通院していないので、今さら受診しづらい」
という方も少なくありません。
中断期間があっても、まず現在のHbA1cや腎機能などを確認すれば、そこから治療を再開できます。
以前の検査結果やお薬手帳があればお持ちください。なくても受診できます。
糖尿病の診療は保険診療です。月1回の通院で、診察と療養計画の管理にかかる費用は3割負担で約1,400円(再診料76点+生活習慣病管理料(Ⅱ)333点+処方箋料60点。令和8年度診療報酬改定(2026年6月施行)の点数)です。血液・尿検査を行う月は、検査の内容に応じて1,000〜3,000円程度が加わります。お薬代は薬局で別途かかります。初診時は初診料と検査費用がかかります。
※2026年8月時点の点数です。1割・2割負担の方は上記より少なくなります。生活習慣病管理料は、療養計画書にもとづく管理を行う月に算定します。
はい。糖尿病は、初期にはほとんど症状がないことが一般的です。
健診で異常を指摘された段階で再検査を行い、糖尿病なのか、糖尿病になるリスクが高い段階なのかを確認することをおすすめします。
HbA1cだけでは決まりません。
血糖値、年齢、体重、糖尿病の経過、腎臓や心臓の状態などによって、生活習慣の改善から始める場合もあれば、早い段階から薬物治療を検討する場合もあります。
必ずしもそうではありません。
体重減少や生活習慣の変化によって血糖が改善し、薬を減らしたり中止したりできる方もいます。一方、自己判断で薬をやめると血糖が再び上昇することがあるため、検査値を確認しながら調整します。
2型糖尿病では、特に発症から比較的早い時期に十分な減量を達成・維持した場合などに、薬を使用せずHbA1cが糖尿病域を下回る「寛解」に至る方がいます。[5]
ただし、寛解は完治を意味するものではなく、その後も再発する可能性があります。定期的な検査は必要です。
通常、特定の食品や糖質を完全に禁止する必要はありません。
体重、食事内容、生活パターンを確認し、続けられる改善方法を考えます。過度な制限よりも、長期間続けられることが重要です。
治療中断は珍しいことではありません。
重要なのは、過去の中断よりも現在の状態を確認して治療を再開することです。まずはその時点のHbA1cや腎機能などを確認します。
健診結果をお持ちの方は、結果用紙をご持参ください。
過去に糖尿病治療を受けていた方は、可能であればお薬手帳や以前の検査結果もお持ちください。
健診で指摘されたばかりの段階でも受診できます。
※本ページは一般的な医学情報の提供を目的としたものです。実際の診断・治療方針は、診察および検査結果にもとづいて個別に判断します。
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森田 知宏(もりた・ともひろ)/ 西新井内科クリニック 院長 医師・医学博士 東京大学医学部卒業。一般内科・訪問診療を担当。科学的根拠にもとづき、患者さんごとの背景を考慮した診療を行っています。 ▶ 院長の経歴・研究業績を見る |
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