睡眠時無呼吸症候群と高血圧・糖尿病の深い関係|薬が効きにくい高血圧の隠れた原因
睡眠時無呼吸症候群と高血圧・糖尿病の深い関係|薬が効きにくい高血圧の隠れた原因
「血圧の薬を2種類飲んでいるのに、なかなか目標まで下がらない」「朝に測る血圧だけ高い」「糖尿病の数値が生活を変えても改善しない」――こうした「治療しているのに良くならない」お悩みの裏に、実は睡眠の病気が隠れていることがあります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中にのど(上気道)がふさがって呼吸が止まることをくり返す病気です。いびきや日中の眠気の病気として知られていますが、それだけではありません。高血圧・糖尿病・不整脈・心不全と深く結びついた「全身の病気」です。
この記事では、(1)無呼吸が血圧と血糖を悪化させる仕組み、(2)どんな人で疑うべきか、(3)まとめて管理する治療の考え方を、順にご説明します。
睡眠中に呼吸が止まるたびに、体の中では次のことが起きています。
高血圧の診療では、いくつも薬を使っても血圧が下がりにくい場合、背景に別の原因がないかを探します。睡眠時無呼吸症候群はその代表的なもののひとつで、日本高血圧学会の『高血圧治療ガイドライン2019』でも、二次性高血圧(原因のある高血圧)の原因として取り上げられています。
ひとつでも当てはまる方、とくに「薬が効きにくい高血圧」の方は、一度睡眠の検査を検討する価値があります。検査はご自宅でできる簡易検査から始められ、保険適用です(詳しくはいびきの記事と睡眠外来のページへ)。
無呼吸と生活習慣病は、悪循環の関係にあります。肥満が無呼吸を悪化させ、無呼吸が睡眠の質を下げ、眠気と代謝の乱れが運動不足と体重増加を招き、血圧と血糖がさらに上がる――この輪のどこかを断つ必要があります。
当院が内科と睡眠外来を一体で行っているのは、この悪循環に対して、血圧・血糖・体重・睡眠をひとつの外来でまとめて管理するためです。
無呼吸の治療だけで薬が不要になるとは限りません。ただ、夜間・早朝の血圧が改善して薬の調整余地が生まれる方はいらっしゃいます。自己判断で中断せず、家庭血圧を測りながら診察で相談していきましょう。
やせていても起こります。あごが小さい方、扁桃が大きい方は、体型にかかわらず気道が狭くなりやすいためです。いびきや眠気があれば体型で判断せず検査をおすすめします。
同時に評価できます。当院では初回の診察で健診結果を確認し、必要なら血液検査と自宅での睡眠簡易検査を並行して進めます。別々に受診し直す必要はありません。
薬を増やす前に、睡眠を一晩調べてみる。治療がかみ合っていない方ほど、そこに答えがあることがあります。
▶ 睡眠外来のご案内/生活習慣病・健診異常の診療(Web予約24時間受付)
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森田 知宏(もりた・ともひろ)/ 西新井内科クリニック 院長 医師・医学博士 東京大学医学部卒業。一般内科・訪問診療を担当。最新のエビデンス(科学的根拠)にもとづく診療を心がけています。 ▶ 院長の経歴・研究業績を見る |
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診療判断に代わるものではありません。血圧の薬の調整は必ず主治医とご相談ください。
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