女性の健康相談外来 — 低用量ピル(OC・LEP)・月経困難症・PMS・更年期のご相談
女性の健康相談外来 — 低用量ピル(OC・LEP)・月経困難症・PMS・更年期のご相談
「生理痛(月経痛)が毎月つらい」「PMS(月経前のイライラや不調)で仕事に支障が出る」「避妊やピルについて相談したい」――こうしたお悩みは、婦人科だけでなく、内科でもご相談いただけます。
この記事では、(1)当院の女性の健康相談外来でできること、(2)低用量ピル(OC・LEP)とは何か・効果・副作用・飲み方、(3)月経困難症・PMS、(4)更年期の不調、を順にご説明します。とくにピルについてくわしくご案内します。
当院では、内科のかかりつけ医として、月経・PMS・避妊・更年期といった女性の体の悩みを一つの窓口でご相談いただけます。具体的には、問診・血圧測定・血液検査・生活指導、低用量ピル(OC・LEP)の処方、更年期の相談までを行います。
いっぽうで、内診・子宮頸がん検診・経腟エコー・不正出血の精密検査などが必要な場合や、判断がむずかしい場合には、連携する婦人科をご案内します。「まず気軽に相談したい」という段階でご利用ください。
ピルは、少量の卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲスチン)を配合したお薬です。同じ成分でも、使う目的によって呼び方が分かれます。
多くは21日間服用して7日間休む(またはプラセボ錠を7錠のむ)28日サイクルで、休んでいる間に消退出血(生理のような出血)が起こります。ピルは、排卵を抑え、子宮内膜の増殖を抑え、子宮の入り口の粘液を変えることで、高い避妊効果と、月経に関するさまざまな改善をもたらします。
※LEPは月経困難症などに対して保険が使える製剤があり、避妊を目的とするOCは自費となります。費用や保険の取り扱いは内容により異なりますので、診察時にご案内します。
ピルは避妊だけでなく、次のような効果(副効用)が知られています。
大規模な追跡調査でも、ピルを使った方はむしろ全体のがんによる死亡が少ないと報告されています(英国の前向き研究)。生理を移動させたい(試験・旅行・行事など)ときの調整にも使えます。
避妊法の効果は「パール指数(100人が1年間使って妊娠する人数)」で比べられます。数が小さいほど確実です。
日本ではコンドームや性交中絶法が多く使われていますが、これらは失敗率が高い方法です。女性が主体的に選べて避妊効果が高い方法として、ピルは有力な選択肢です。中止後は3か月以内に約90%の方で排卵が再開し、妊娠できる力は戻ります。
年齢の目安として、初経のあとから閉経前まで使えますが、初経前・14歳未満では使いません。40歳以上でまだ閉経していない方は慎重に判断し、50歳以降は使用しません。
飲み始めのころに、吐き気、乳房のはり・痛み、頭痛、少量の不正出血などが出ることがあります。これらの多くは飲み続けるうちに軽くなるため、まず2周期ほど様子をみます。それでも気になる場合は、製剤の種類を変えて調整します。
ピルは、まれに血栓(血のかたまり)ができやすくなることがあります。頻度は1年間に1万人あたり3〜9人で、飲んでいない方(1〜5人)の約2倍です。ただし、妊娠中(5〜20人)や産後(40〜65人)はこれよりずっと高く、ピルで望まない妊娠を防ぐことは、結果的に女性の死亡を減らすとも言えます。血栓は飲み始めて3か月以内に起きやすく、長く休んだあとに再開したときも一時的に上がります。
次の症状(頭文字をとってACHES/エイクス)は血栓のサインです。ひとつでもあれば、すぐに医療機関へご連絡・受診ください。
血栓の予防として、水分をこまめにとる、長時間同じ姿勢を続けないことも大切です。
次のような方は、原則としてピルを使えない、または慎重な判断が必要です。
そのため、処方の前に問診・血圧測定でしっかり確認します。
ピルは毎日できるだけ同じ時刻にのみます。飲み忘れたときの対処は次のとおりです。
月経困難症(つらい生理痛)には、鎮痛薬や生活指導に加えて、LEP(保険が使える製剤があります)が有効なことがあります。PMSは、症状の記録・生活の工夫を基本に、必要に応じてLEPやそのほかのお薬を検討します。毎月の不調をがまんせず、一度ご相談ください。
40代後半以降のほてり・のぼせ・発汗・不眠・気分の落ち込み・膣の乾燥などは、更年期の症状のことがあります。日常生活に支障が出る中等度以上の症状が、治療を考える目安です。
治療には、ホルモン補充療法(HRT)と、非ホルモン療法(SSRI・SNRIなど)があります。HRTはほてり・発汗にもっとも効果的ですが、禁忌のない典型的な症状の方に、貼り薬・塗り薬(経皮製剤)を中心に行い、子宮のある方は子宮内膜を守るために黄体ホルモンを併用します。乳がん・血栓症・脳卒中・心臓病の既往などがある方には行いません。内診・がん検診・不正出血の精査が必要な場合や複雑な例は、連携婦人科と協力して進めます。膣の乾燥・性交痛には保湿剤や膣用のお薬もあります。
当院では、相談・血圧測定・血液検査・生活指導、低用量ピル(OC・LEP)の処方、月経困難症・PMS・更年期の相談まで、内科の範囲で対応します。「婦人科は行きづらい」「まず気軽に相談したい」という段階でも、どうぞご利用ください。内診やがん検診など専門的な対応が必要な場合は、連携婦人科へおつなぎします。
※検査・治療の費用や保険の取り扱いは、内容により異なります。詳しくは診察時にご案内します。
はい。低用量ピル(OC・LEP)の処方に診療科の制限はなく、内科でも処方できます。血圧・喫煙・血栓のリスク・禁忌を確認したうえで、適した製剤をご案内します。
飲み始めの吐き気・乳房のはり・頭痛・少量の出血は、多くが2周期ほどで軽くなります。体重が増えるかどうかははっきりしていません。もっとも注意すべきは血栓症で、ACHES(激しい腹痛・胸痛・頭痛、視野や言葉の異常、ふくらはぎの痛み)が出たらすぐ受診してください。
中止後3か月以内に約90%の方で排卵が再開し、妊娠できる力は戻ります。将来の妊娠に備えて中止することもできます。
月経困難症には、保険が使えるLEPという選択肢があります。PMSに対して用いることもあります。鎮痛薬や生活の工夫とあわせて、症状に応じて検討します。
初経のあとから閉経前まで使えます。40歳以上は慎重に評価し、50歳以降は使用しません。喫煙する方は、35歳以上で1日15本以上の場合は使えないなど、年齢と本数による制限があります。
健康な方の定期的な処方に、内診は必須ではありません。子宮頸がん検診など必要な検査がある場合は、連携婦人科をご案内します。
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森田 知宏(もりた・ともひろ)/ 西新井内科クリニック 院長 医師・医学博士 東京大学医学部卒業。一般内科・訪問診療を担当。最新のエビデンス(科学的根拠)にもとづく診療を心がけています。 ▶ 院長の経歴・研究業績を見る |
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診療判断に代わるものではありません。気になる症状や検査結果がある場合は受診をご検討ください。
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