訪問診療と往診はどう違う?――在宅医療の始め方【足立区・西新井】
訪問診療と往診はどう違う?――在宅医療の始め方【足立区・西新井】
「訪問診療と往診は何が違うのですか」「うちの親はどちらを頼めばよいのでしょうか」「在宅医療というのは、もう治療をしないという意味ですか」――ご家族からよくいただくご質問です。
この2つは、どちらも医師が家に来るという点では同じですが、性質がまったく違います。混同したまま相談すると、必要な体制が整わないままになってしまうことがあります。
この記事では、(1)訪問診療と往診の違い、(2)訪問診療の対象になる方、(3)始めるまでの流れ、(4)費用の目安と、家でできる医療の範囲を、順にご説明します。
| 訪問診療 | 往診(おうしん) | |
|---|---|---|
| タイミング | あらかじめ決めた日に定期的に | 急な体調変化があったとき臨時に |
| 目的 | 計画的・継続的な療養の管理 | そのときの症状への対応 |
| 契約 | 診療計画を立て、契約を交わしたうえで始める | その都度の対応 |
| イメージ | かかりつけ医が家に来る | 臨時の呼び出しに応じる |
訪問診療は、それまで通っていた外来を、家に置き換えるものだとお考えください。月に1〜2回など決まった間隔でうかがい、診察・処方・検査を行い、状態の変化を継続的に見ていきます。
往診は、その定期の訪問診療を受けている方が急に具合を悪くされたときに、臨時でうかがうものです。つまり往診は訪問診療の上に乗るもので、日ごろ診ている医師がいるからこそ、夜間の電話にも判断がつきます。「ふだんは診ていないが、具合が悪いときだけ来てほしい」という形は、安全面でも制度面でも成り立ちにくいのが実際です。
※ 在宅医療を始めることは、治療をやめることではありません。高血圧や糖尿病の薬もそのまま続きますし、必要があれば検査も入院もします。変わるのは「通う」か「来てもらうか」という手段の部分です。
制度上の対象は、原則として通院が困難な状態の方です。寝たきりであることは条件ではありません。次のような方が対象になります。
逆に、ご自身で歩いて通院できている方が、希望だけで切り替えられる仕組みではありません。対象になるかどうかの判断も含めてご相談いただけます。
訪問診療は保険診療です。月2回の定期訪問を行った場合の、1か月あたりの標準負担額の目安は次のとおりです。
| 対象 | 医療負担割合 | 標準負担額(月2回) |
|---|---|---|
| 70歳以上 | 1割 | 約7,000円 |
| 70歳以上 | 2割 | 約14,000円 |
| 70歳以上/70歳未満 | 3割 | 約20,000円 |
※ 検査や処置を行った場合、特別な管理料を要する場合などは、上記と異なることがあります。外来診療とは異なり、訪問診療では1か月分の診療費をまとめてお支払いいただきます。高額療養費制度など負担を軽くする仕組みが使えることもありますので、費用が心配な場合はご相談ください。
なお、介護保険を利用している方では、医師が療養上の管理・指導を行う「居宅療養管理指導」が介護保険から算定されることがあります。この分は介護保険の自己負担で、上記の医療費とは別の扱いです。
「家では簡単な診察しかできないのでは」と思われがちですが、実際には外来に近いことができます。当院の訪問診療では、次のような検査・処置に対応しています。
検査:血液検査、尿検査、インフルエンザ等の各種感染症検査、心電図(ホルター心電図を含む)、超音波検査(エコー)
処置:がんの在宅緩和ケア、在宅酸素療法、経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)、中心静脈栄養、胃ろう管理、気管カニューレ交換、在宅輸血(赤血球・血小板)、腹水穿刺(ふくすいせんし)、褥瘡(じょくそう)切開、尿道留置カテーテルの交換 など
入院が必要になったときは、提携病院(医療法人財団 逸生会 大橋病院、永寿総合病院)と連携して対応します。家で診ることと、必要なときに入院することは、両立します。
在宅での療養全体を担当する医師を決めることになりますが、専門の治療で通っている医療機関がある場合は、そちらを続けながら在宅の主治医を別に持つ形も一般的です。「先生を替える」ではなく「役割を分ける」とお考えいただくと分かりやすいと思います。現在の通院先との関係も含めてご相談ください。
当院の訪問診療を定期的に受けている患者さんには、夜間・休日を含む連絡体制を整えています。お電話をいただいた際は、病状や状況に応じて、電話での助言、臨時の往診、救急搬送の手配などを判断します。意識がない、呼吸が苦しくて話せない、けいれんが続く、大量に出血しているなど、生命に関わる可能性がある場合は、まず119番へご連絡ください。
はい。ご自宅だけでなく、施設への訪問診療も承っています。
訪問看護は医師の指示書があれば利用でき、当院でも指示書を発行しています。ヘルパー(訪問介護)は介護保険のサービスですので、ケアマネジャーまたは地域包括支援センターを通じて調整します。医療と介護のどちらから相談を始めても、最終的にはつながります。
状態によりますが、月2回の定期訪問が基本になることが多いです。状態が不安定な時期は間隔を詰め、落ち着いていれば月1回にすることもあります。
西新井内科クリニックでは、足立区西新井本町の当院を拠点に訪問診療にうかがっています。受けられるかどうかの段階からご相談を承ります。
お電話:03-3840-4146(受付時間:平日 9:00〜12:00/14:00〜17:00、土 9:00〜12:00)
訪問診療ご相談フォーム:こちらから(24時間受付)
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森田 知宏(もりた・ともひろ)/ 西新井内科クリニック 院長 医師・医学博士 東京大学医学部卒業。一般内科・訪問診療を担当。最新のエビデンス(科学的根拠)にもとづく診療を心がけています。 ▶ 院長の経歴・研究業績を見る |
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診療判断に代わるものではありません。訪問診療を受けられるかどうかは、患者さんの状態を確認のうえ個別に判断します。
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