睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査はどうやる?

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査はどうやる?自宅検査からCPAP治療までの流れ

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査はどうやる?

「家族から『寝ているときに大きないびきをかいて、突然息が止まっている』と指摘された」
「毎晩7〜8時間寝ているはずなのに、日中耐えられないほど強い眠気におそわれる」
「朝起きたときに頭が重く、口や喉がカラカラに乾いている」

こうした症状でお悩みの場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)の可能性が強く疑われます。

睡眠時無呼吸症候群は、単に「睡眠の邪魔になる」だけではありません。睡眠中に何度も呼吸が止まって血液中の酸素が不足すると、心臓や脳の血管に大きな負担がかかり、高血圧、心筋梗塞、脳卒中、心房細動(不整脈)などの重大な病気のリスクが急上昇します。

西新井内科クリニックの睡眠外来では、SASの早期発見・診断からCPAP(シーパップ)による治療まで一貫して対応しています。この記事では、クリニックで行う問診から自宅での簡易検査、CPAP導入までの具体的な流れをわかりやすく解説します。

太っていなくても要注意?日本人に多いSASの特徴

「睡眠時無呼吸症候群は、太った中年男性の病気」というイメージをお持ちの方が多いかもしれません。

もちろん、首周りの脂肪沈着によって気道が狭くなる肥満は大きな危険因子です。しかし、実は痩せ型の方や標準体重の女性であっても、重症のSASを患っている方は非常に多くいらっしゃいます

日本人をはじめとする東洋人は、欧米人に比べて骨格的に「顎(あご)が小さい(小顎症)」「下顎が後ろに引っ込んでいる」傾向があります。そのため、肥満がなくても仰向けに寝ると舌の付け根が気道へ落ち込み、空気の通り道が完全に塞がれて無呼吸を起こしてしまうのです。

「自分は太っていないから大丈夫」と思い込まず、いびきや日中の眠気がある方は一度検査を受けてみることが重要です。

SAS検査から治療までの5つのステップ

当院では、患者様のお仕事や日常生活の負担を最小限に抑えながら、スムーズに検査・診断を進められる診療体制を整えています。

ステップ 内容 場所・所要期間
ステップ1:初診・問診 睡眠状況の問診、ESS眠気テスト、血圧測定、口腔・咽頭の観察 当院外来(約15〜30分)
ステップ2:簡易睡眠検査 自宅に検査機器が届き、就寝時にセンサーを装着して一晩計測 ご自宅の寝室(1〜2晩)
ステップ3:結果説明 AHI(無呼吸低呼吸指数)の算出、重症度判定 当院外来(検査後1〜2週間)
ステップ4:精密検査(PSG) 中等症の場合など、必要に応じて脳波を含めた精密検査を実施 連携病院(1泊入院)等
ステップ5:CPAP治療開始 機器の設定・マスク選定を行い、自宅での毎晩の治療を開始 自宅(月1回の定期通院)

自宅でできる「簡易睡眠呼吸検査(アプノモニター)」とは?

初診の診察でSASが疑われた場合、最初に行うのが「自宅でできる簡易睡眠呼吸検査」です。わざわざ仕事を休んで病院に泊まり込む必要はありません。

簡易検査の特徴と装着方法

  1. 機器のお届け:検査会社からご自宅へ小型の検査キットが宅配便で届きます。
  2. センサーの装着:寝る前にご自身で簡単なセンサーを取り付けます。
    • 鼻カニューレ:鼻の前に細いチューブを固定し、呼吸の流れ(気流)を感知します。
    • 指先パルスオキシメーター:指先にクリップ型のセンサーを挟み、血液中の酸素飽和度(SpO2)と脈拍を計測します。
    • 本体レコーダー:手首などに固定し、データを一晩中記録します。
  3. 返送:翌朝起きたらセンサーを外し、同封の伝票で検査会社へ返送します。

普段寝ているご自身の寝室・ベッドで検査できるため、リラックスした自然な睡眠状態を測定できるのが大きなメリットです。

重症度を分ける「AHI(無呼吸低呼吸指数)」の基準

検査データをもとに、「AHI(Apnea Hypopnea Index:無呼吸低呼吸指数)」を算出します。これは、睡眠1時間あたりに「10秒以上の無呼吸(完全に息が止まる)」または「低呼吸(換気量が50%以下に低下する)」が何回起きたかを表す国際的な指標です。

AHI(回/時間) 重症度判定 治療方針と保険適用の基準
5 未満 正常 特別な治療は不要です。生活習慣の維持を心がけます。
5 〜 14 軽症 減量や禁酒、横向き寝の指導、または歯科でのマウスピース(OA)作成を検討します。
15 〜 29 中等症 日中の眠気などの自覚症状があり、精密検査(PSG)の所見が基準を満たせば、保険適用でCPAP治療を開始できます。
30 以上 重症 AHI 30 以上で自覚症状があれば、保険適用でCPAP治療を開始できます。

CPAP(持続陽圧呼吸療法)とは?

中等症〜重症の睡眠時無呼吸症候群に対して、世界中で最も標準的かつ効果的な第一選択の治療法が「CPAP(シーパップ)」です。

CPAPの仕組み

手のひらサイズの小型機械から、専用のチューブと鼻マスクを通じて、適度な圧力をかけた空気を気道へと送り込みます。空気のカーテンで喉の内側を押し広げることで、睡眠中の気道閉塞を物理的に防ぎ、使い始めたその夜からいびきと無呼吸をほぼゼロに抑えることができます。

治療によって期待できる効果

  • 起床時の頭痛や口の渇きがなくなり、すっきりと目覚められる
  • 日中の耐えがたい眠気が解消し、仕事や運転の集中力が劇的に改善する
  • 夜間の頻尿(夜中に何度もトイレに起きる症状)が激減する
  • 睡眠中の交感神経の興奮が抑えられ、血圧が下がり、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクが大きく低下する

西新井内科クリニックの睡眠外来の特徴

当院の睡眠外来は、「いびきを止める」だけでなく、「心血管疾患や生活習慣病を防ぐための総合的な内科管理」を重視しています。

  • 自宅検査の手配がスムーズ:初診後、速やかにご自宅へ検査機器を手配します。
  • 生活習慣病の同時管理:高血圧や糖尿病、脂質異常症をお持ちの患者様に対して、内科医としてトータルで治療を調整します。
  • 月1回の無理のない通院サポート:CPAP導入後は、機器の使用データ(無呼吸の改善状況、空気漏れの有無など)を毎月確認し、マスクのフィット感や圧力設定をきめ細かく調整します。

よくあるご質問

Q. 自宅の簡易検査をつけると、気になって眠れないのではないかと不安です。

センサーは非常に軽量でコードも細いため、普段と同じ体勢(横向き寝など)で問題なく眠ることができます。万が一、途中で外れてしまったり十分に眠れなかったりした日があっても、機器は2晩分記録できるよう設定されていますのでご安心ください。

Q. 家族に「息が止まっている」と言われますが、一人暮らしなので自分で気付けません。どうすればいいですか?

一人暮らしの方の場合、「毎朝すっきり起きられない」「十分に寝ているのに日中ウトウトしてしまう」「夜間に何度も尿意で目が覚める」「起床時に喉が痛い」といった自覚症状が受診の大きなきっかけになります。スマートフォンのいびき録音アプリなどで音を確認されて受診される方も多くいらっしゃいます。

Q. 簡易検査の費用は保険が効きますか?いくらくらいかかりますか?

はい、診察で医師が睡眠時無呼吸症候群を疑った場合、簡易検査は健康保険が適用されます。3割負担の方の場合、検査そのものの費用は2,700〜3,300円程度です(初診料・再診料等は別途かかります)。

睡眠のお悩みがある方へ

当院の睡眠外来では、いびき・無呼吸・不眠の検査と治療を行っています。いびきや無呼吸の簡易検査は、ご自宅でできます。

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参考文献


著者情報

西新井内科クリニック 院長 森田知宏 森田 知宏(もりた・ともひろ)/ 西新井内科クリニック 院長 医師・医学博士
東京大学医学部卒業。一般内科・訪問診療を担当。最新のエビデンス(科学的根拠)にもとづく診療を心がけています。
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本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診療判断に代わるものではありません。気になる症状や検査結果がある場合は受診をご検討ください。最終更新:2026年9月。記載の制度・費用等は変更される場合があります。

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