CPAPの費用・保険適用・通院頻度は?治療を始める前に知っておきたいこと
CPAPの費用・保険適用・通院頻度は?治療を始める前に知っておきたいこと
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断され、医師から「CPAP(シーパップ)治療を始めましょう」と提案されたとき、多くの方が以下のような疑問や不安を抱かれます。
「毎月の治療費はいくらくらいかかるの?」
「機械は自分で買い取るの?それともレンタル?」
「仕事が忙しいのに、毎月クリニックに通わなければいけないの?」
「引っ越しや通院の都合で、別の病院に変えることはできる?」
CPAPは、適切に使用すれば毎晩のいびきや日中の強い眠気を劇的に改善し、将来の心筋梗塞や脳卒中を防ぐ極めて優れた治療法です。しかし、数か月〜年単位で継続する治療だからこそ、費用や通院のルールを事前に正しく理解しておくことが大切です。
この記事では、CPAP治療の保険適用基準、毎月の自己負担額の目安、通院が必要な理由、他院からの転院手続きについて詳しく解説します。
日本では、睡眠時無呼吸症候群の検査結果が一定の医学的基準を満たしている場合、CPAP治療を健康保険(3割負担・1割負担など)で受けることができます。
※この基準は2026年(令和8年)6月の診療報酬改定で緩和されました(改定前は「AHI 40以上」または「PSGでAHI 20以上」)。ご自身がどちらに当てはまるかは、検査結果を見たうえで医師がご説明します。
基準を満たした場合、高額なCPAP機器本体を自費で購入する必要はありません。医療機関を通じて機器一式(本体・加湿器・チューブ・マスク)をレンタルする形で治療を行います。
健康保険適用でCPAP治療を行う場合、毎月の診察とお薬、機器レンタル料を含めた自己負担額の目安は以下の通りです。
| 負担割合 | 毎月の窓口自己負担額の目安 | 内訳に含まれるもの |
|---|---|---|
| 3割負担の方 (現役世代など) |
約 3,800 〜 4,200 円 / 月 |
・再診料 ・在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料 ・CPAP装置レンタル料(本体・チューブ・マスク) ・定期的な消耗品(フィルター、マスク交換等) |
| 1割負担の方 (75歳以上など) |
約 1,300 〜 1,400 円 / 月 |
※高血圧など他疾患のお薬が処方される場合や、定期的な採血・心電図検査などを行う月は別途費用がかかります。
※破損や劣化による消耗品(マスクのクッションやエアフィルターなど)の定期交換費用もレンタル料に含まれており、通常は追加請求されません。
「機械を借りて毎晩使っているだけなのに、どうして毎月病院に行かなければいけないの?」と感じる方もいらっしゃいます。
月1回の定期通院が必要な理由は、制度上の要件と医学的な安全管理の2つがあります。
CPAPの管理料(在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料)は月1回算定する管理料です。受診が途切れると保険での機器の貸し出しを続けられなくなるため、当院では原則として月1回のご受診をお願いしています。
なお、使用状況を通信で確認できる機器をお使いの場合は、遠隔モニタリング加算という仕組みを使って対面受診の間隔を空けられることがあります(制度上は最長で3か月に1回まで)。通院が負担に感じられる方は、診察時にご相談ください。
CPAPは、ただ枕元に置いて眠ればよいというものではありません。機器内部の通信機能やメモリーカードにより、毎月の診察時に以下のデータを医師が確認します。
「鼻の頭が痛い」「風が強すぎて息が吐きづらい」「夜中に無意識にマスクを外してしまう」「口が渇く」といったトラブルがあれば、マスクのサイズや種類(鼻マスク、鼻ピロー、フルフェイスなど)を変更したり、自動調圧(オートCPAP)の設定を見直したりして、無理なく続けられるよう調整します。
「遠方の病院でCPAPを導入したが、毎月通うのが大変になってきた」
「職場の近くや、自宅近く(足立区・西新井周辺)のクリニックに通院先を変えたい」
「土曜日や仕事帰りに通えるクリニックを探している」
すでに他院でCPAP治療を受けられている方が、治療の中断なしに通院先を西新井内科クリニックへ変更(転院)することは完全に可能です。
当院では、患者様がストレスなくCPAPを長期継続できるよう、以下の診療体制を整えています。
肥満が主な原因である患者様の場合、治療と並行して食事・運動療法に取り組み、10〜15kg以上の大幅な減量に成功したことで無呼吸が改善し、CPAPを卒業できたケースはあります。しかし、骨格的な要因(顎の小ささなど)が関与している場合は、中止すると再び無呼吸や心血管リスクが戻ってしまうため、メガネやコンタクトレンズのように「良い睡眠と健康を保つための生活の道具」として長く付き合っていくことが基本となります。
現在のCPAP機器は非常にコンパクトで軽量(1kg前後)であり、専用のトラベルバッグが付属しています。新幹線や飛行機の機内持ち込み手荷物として持ち運びが可能です。ホテルや旅館のコンセントにつなげば普段通り使用できますし、海外の電圧(100〜240V)にも自動対応している機種がほとんどです。
鼻づまりがひどいと鼻マスクから空気を吸うのが苦しくなることがあります。その場合は、一時的に点鼻薬や抗アレルギー薬、鼻炎薬を併用して鼻通りを改善させます。どうしても鼻呼吸が困難な急性期は数日お休みしても構いませんが、長引く場合は口と鼻の両方を覆うフルフェイスマスクへの変更などを検討します。
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森田 知宏(もりた・ともひろ)/ 西新井内科クリニック 院長 医師・医学博士 東京大学医学部卒業。一般内科・訪問診療を担当。最新のエビデンス(科学的根拠)にもとづく診療を心がけています。 ▶ 院長の経歴・研究業績を見る |
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診療判断に代わるものではありません。気になる症状や検査結果がある場合は受診をご検討ください。最終更新:2026年9月。記載の制度・費用等は変更される場合があります。
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